日誌

2017年5月の記事一覧

眼鏡 校長だより

  わき役の心

青空にBGMがとどろき、5,6年生のスタンツが始まりました。グランドに手をつき、地面を蹴る、うつぶせになり、立ち上がる、素早く華麗な演技が続いていく。しかも、仲間同士の呼吸が合い、集団の鼓動がひとつに聞こえるほどの一体感を感じる。快晴の空の下、初夏の太陽のスポットを浴び、「君が主役だ」のテーマ通り、まさしく主役でした。

 「大地に伏せ、大地を蹴る」主役としてステージに立ち、子どもたちは、何を感じていたのでしょうか。

 今朝、このステージは、水が浮いていました。昨夜から想定外の大雨となり、運動会の開催すら危ぶまれるほど。昨日教頭先生の作った、てるてる坊主の表情も何か悲しげでした。

 しかし、早朝から、水を掃きだし、地面を馴らし、消えたラインを引く、教職員だけでなく、おやじの会をはじめとする地域の方が、グランド整備に動き出してくれたのでした。子どもたちの演技に支障がないようにと願う、わき役たちの思いが、きっと天に通じたのでしょう。太陽の陽ざしとさわやかな風も手伝って、スタンツの頃は、ベストコンディションになっていました。

 5,6年だけでなく、1年から4年の子どもたちに、「主役になるには、わき役の存在が不可欠だ。わき役に感謝してこそ主役になれる」最後に、そんな話をさせていただきました。

 6月になります。主役の子どもたちには、わき役の心を感じ、学ばせたいと思っています。保護者の皆様、子どもたちへの温かいご声援、そして手本になるようなマナー、名わき役でした。心から感謝いたします。

眼鏡 校長だより

運動会に寄せて

 連日、運動場や体育館で、運動会の競技や演技の練習を、元気いっぱいに繰り返している子どもたちが見られています。

 全校練習の時間でした。校舎は先ほどのざわめきが嘘のように静まりかえっています。5年生の教室を覗いてみました。メダカの飼育とインゲンマメの栽培がすすめられていました。メダカは、ペットボトルをお家に、産卵計画が進行中でした。また、インゲンマメの発芽の実験中でしょうか。光に向かって伸びようとしているインゲンが、ニンゲンのように健気に映りました。

 3年生も、水槽が並んでいるではありませんか。なかをのぞくと、イモムシかキャベツを食べていました。おそらくアゲハの幼虫でしょう。幼虫は脱皮を繰り返し、やがてサナギに、そして1か月後にはチョウへと羽化していきます。

 静まり返った教室に、こうして静かにいのちや成長の営みがなされている、このことが、妙に神秘的に映りました。

 一方運動場では、全校児童の応援の練習中で、活気にあふれています。赤、青、白、それぞれが応援団長を中心に、趣向を凝らし、応援歌や踊り、ウエーブの練習中でした。「君が主役だ 運動会 心をひとつに一致団結」とテーマに掲げながらも、まだ声が小さかったり、ばらばらであったりと、先生をやきもきさせています。でも、6年生が先頭に立ち、懸命に呼びかけている姿を見ると、今ががんばりどころだと思わず声をかけたくなります。子どもの心も、経験という脱皮を繰り返しながら、成長していくのでしょう。1週間という期間が、必ずや演技を進化させてくれるに違いありません。

 いよいよ週末は運動会。福岡の空にアゲハチョウが飛んでいくように、子どもたちも主役となって飛躍してほしいと願っています。

眼鏡 校長だより

福岡小の美しい風景

 新緑の中、運動会の練習、部活動がスタートしました。

 授業後、校内を歩いていますと、まず太鼓の音が聞こえてきました。多目的室をのぞくと、和太鼓部の演奏が始まっていました。昨年から練習してきた演目なのでしょう。ブランクを感じさせない、力強い音の力に圧倒されました。体育館の方からは、「はいっ」と元気のいい返事が聞こえてきました。遠い昔、バスケボール部顧問であった私は、体育館に入ると、やはり気持ちが引き締まるものです。バスケット部はボールハンドリング、バレー部はトスやレシーブの基礎練習を繰り返していました。まだぎこちなさが目立ちますが、この反復練習で技術のアップは間違いありません。

音楽室からは楽器の音が聞こえてきます。部屋をのぞくと、音楽部の個別練習でした。丁寧に教え合う姿が印象的で、楽器演奏の音が音色へと進化する日も近いことでしょう。

すると、となりの棟から大きな声が聞こえています。6年生の教室のようです。応援団長さんが中心となって、応援の曲にあわせて、歌詞や振り付けをどうするか、熱い議論がなされていました。今年の運動会のテーマどおり、一致団結する姿が楽しみでなりません。

 窓から運動場を眺めました。顧問の声やホイッスルの合図にあわせ、ダッシュやボールタッチを繰り返す陸上部、サッカー部がいました。

私は屋外に出てみました。薫風の中、若葉のざわめきとともに、楽器やホイッスル、歌声と、さまざまな音がシンクロし、まるでオーケストラのように聞こえてきました。これもひとつの福岡小の文化なのでしょう。

校長室に戻るころは、下校時間が近づいていました。オーケストラ演奏はぱたりと消え、静けさが訪れていました。 

 

 

 

眼鏡 校長だより

遠足に行ってきました

月になりました。ゴールデンウィークの狭間、1日の遠足は、子どもたちにとって、リラックスできる場でもあり、さぞ楽しみであったことでしょう。

朝、晴天の下、運動場に集合した子どもたちは、元気いっぱいに、それぞれが「行ってきます」と目的地に向かいしました。

ところがです。昼ごろから天気が急変、突然黒い雲に覆われ、雨がぱらぱらと降りだしたのです。おまけに、竜巻注意情報も発令。現地と学校が急きょ連絡を取り合い、天気図や雨雲の動向を見ながら、対応にあたりました。教育活動は、このように想定外の出来事はつきものです。急きょどう対応するか、判断することが重要となってきます。

竜ケ池公園の2,4年と高師緑地公園の1,6年生は、予定を打ち切り、学校に戻りました。そして、ふれあいルームや体育館で仲良くお菓子を食べ、校内ウオークラリーやふれあいの時間をもちました。「避難所ってこんな感じだよね」と、避難所の生活を彷彿させるように、異学年で新たな交流が生まれていました。

また、向山緑地公園の3年生は、雨雲が切れた時間を見計らい学校へ。早く到着し浮いた時間を使って、運動場で学年レクの続きを楽しみました。

雨雲を蔵王山頂上で迎えた5年生は、安全な場所で待機し、天気の回復を待って下山を始めました。鮮やかな新緑の中、声をかけあい、助け合いながら歩く姿が印象的だったと聞いています。

 ピンチやトラブルは、悲しむべきことだけではありません。そこから学ぶべき教訓とともに、新たな体験やかかわりを運んできてくれるものです。先日、避難訓練で迅速な動きができた福岡っ子にとっては、今回は、とてもよき実践の場であったと感じています。

 下校時は、すっかりよい天気になりました。天気の神様のいたずらを少しうらやみながら、元気に下校する子どもの姿がありました。