日誌

2018年10月の記事一覧

食欲の秋に


 中庭の小さな田んぼには、稲刈りをした切り株から、葉が出て、再び小さな稲穂が揺れていました。また、昨年3年生が植えたカキの木は、オレンジ色のカキが実っていました。何度か台風の風や雨にさらされながらも、しっかりと枝にしがみついて実りの時を迎えています。実りのシーズンを迎え、校内のさまざまな場で「いのち」の逞しさを感じます。

 そんな中、1年生が6年生の助けを借りてサツマイモ掘りが行われました。昨年の不作だったこともあり、幾分心配されたわけですが、掘ってみると、土の中から次から次へと出てくる大きなサツマイモ。サツマイモを手にした子から歓声が聞こえてきました。豊作です。振り返れば、今年は、異常な暑さとともに、台風も何度か通過し、必ずしもよい気象条件ではなかったはずです。

 私たちは、本来手間をかけるほど、あるいはよい環境ほど、生き物は育つと思いがちです。しかし、サツマイモは、厳しく放任して育つものだと言われています。肥料や水を十分与え過ぎると、葉っぱやツルばかりに養分が行ってしまうそうです。厳しい環境だからこそ、じっと根に栄養を蓄え、それが立派なサツマイモになるのでしょう。

 八十八回手間かけると言われる米のように、手間の要る植物もあれば、モモクリ3年カキ8年と、時間も要するものもあります。そして、サツマイモのように、厳しさにさらした方がよいものもあります。そう考えると、子どもたちの育て方に何か通じるかもしれません。

 栄養と言えば、先日の学校保健委員会では、「なんでも食べて、元気もりもり」というテーマで、朝食について勉強しました。近藤栄養教諭から、朝ごはん簡単野菜レシピの紹介もありました。保護者の皆様、ここは、我が子の朝食づくりをぜひ見守ってあげてください。

羽ばたけ 6年生


 土曜日、体育館を覗いてみると、バスケットボール部の練習試合が行われていました。相手が強かったこともありますが、男子も女子も苦戦を強いられていました。子どもたちは腰高で安定せず、ボールがなかなか手につきません。そうです。昨日まで修学旅行で、この数日間全く練習する時間がありませんでした。疲れや眠さが残る、万全でないコンディションであっても、失敗、ミスに腐ることなく必死でボールを追いかける姿に、むしろ感動さえ覚えました。これが6年生の成長した姿なのでした。一方、バレー部もこの日試合で、早朝から集合し、他校に赴いていました。あいさつもプレーもいつの間にかよくなっていたと、試合後の顧問の先生の言葉。ここにも成長の跡がありました。

 さて、その修学旅行はと言いますと、奈良地方は「雨」という天気予報でしたが、一度も傘をさすことなく、順調に進めることができました。振り返れば、昨年の野外活動の時もそうでした。センターに到着する頃に雨が上がり、日がさしてきたことを思い出しました。心がけもいいのでしょう。

 その心がけですが、奈良公園の班別分散学習の場面にもありました。現地はシカに加え、修学旅行生、外国人旅行客があふれ、歩くことさえままなりません。そんな状況の中、時間通りに行動しようとする班が数多く見られました。班の中には、シカが苦手な子もいます。だから、班の歩みもずいぶん遅くなるわけです。しかし、その子を見捨てることもなく、シカたちの壁になって進む子どもたちは、まさに要人を守るSPのようでした。約束を守りつつも、大切なものを見失わない6年生。その姿にも、この一年間の成長を感じずにいられませんでした。

 次の山場の福岡っ子発表会は、「火の鳥」という作品だそうです。今回の目的地、平安京、平城京からさらに時をさかのぼって、古墳時代のお話だそうです。卒業まで半年を切って、火の鳥のように、さらに飛躍してくれると信じています。

プラタナス倒れる


   台風24号は、東三河地方に甚大な被害を与えました。

 本校も、東側道路側のプラタナスの巨木が、根元からなぎ倒され、遊具に覆いかぶさるようになっていました。この巨大な木が横たわっている状況に、改めて風雨の強さを思い知らされたと同時に、道路や建物ではなく、迷惑の少ないところに、倒れてくれたことに感謝しました。

 本校自慢のこのプラタナスは、まだ数本ありますので、今後台風が襲来したとき、ほかの樹は大丈夫かと心配が募ります。が、思えば、倒れたこのプラタナスは、秋になって根元や幹や枝に、多くのキノコが寄生していたことを思い出しました。そのことを校務主任に尋ねてみると、木が弱っていたり、抵抗力がなくなっていたりしているのではないかという答えが返ってきました。木は辛いとか疲れたと言葉に発してくれません。あのキノコは、プラタナスのSOSだったのかもしれません。

 子どもたちの中にも、辛いこと、苦しいこと、なかなか言葉に出せない子がいます。キノコではありませんが、私たちは言葉にならない声にしっかり耳を傾けないといけないと、プラタナスを見て感じました。

 台風一過のこの日、停電が続き、信号も一部復旧していませんでしたが、安全を確認し、通常通り日課をスタートしました。ご家庭には、ご迷惑をおかけしました。
   豪雨や台風、地震など日本中が被災している現在、不便な生活は、私たちにたくさんの教訓を与えてくれています。豊橋の南の位置する我が家も、この日も停電が復旧せず、被災地を想いながら、ろうそくの灯りでおにぎりの味を噛みしめました。