日誌

2019年2月の記事一覧

遊んでくれてありがとう


 2月も後半。春の気配に、校庭の河津桜も開花し始めました。私も、春の陽気に誘われたわけでもありませんが、長放課になると、校内を回ることにしています。放課時の子どもたちは、授業中には見せなかった素顔が見え、とても楽しいものです。まず何より清々しいのは、子どもたちが「こんにちは」と挨拶を交わしてくれることです。朝の眠そうな「おはようございます」に比べ、元気な「こんにちは」は親近感が沸いてきます。

 さて、この日は、和太鼓の鳴る音が聞こえてきました。行ってみると、新入部員の子たちが、横笛や太鼓の練習中でした。なんとか先輩に追いつこうと懸命でした。音楽室では電子オルガンの練習をしている子も見かけました。これも、何か発表があるのでしょうか。さらに教室はというと、さすがに人数は少ないですが、ノートに朱書きをいれている先生に話しかける子どもたちの輪ができていました。担任の先生は、休む暇がありません。

 5年生の学習室では、5年生が「6年生を送る会」に向けて、準備の真っ最中でした。いよいよ最高学年の自覚が感じられました。よろしくお願いします。

 その部屋の床に、大きな掲示物か寝かされています。見てみると、無数の「ありがとうメッセージ」が貼られているではありませんか。

 1年生のありがとうメッセージを一つ一つ読むと、「いつも遊んでくれてありがとう」「おにごっこしてくれてありがとう」「おんぶやだっこをしてくれてありがとう」と6年生への感謝がいっぱい詰まっていました。

 その6年生はどうだろうと見てみると、やはり1年生に向けたたくさんのメッセージがありました。意外だったのは、1年生に対して「遊んでくれてありがとう」という6年生のコメントが多かったことです。「遊んであげた」と書かず「遊んでくれた」と書いたところに、6年生の優しさ、素朴さを感じずにはいられませんでした。

 「ありがとう」や「ごめんなさい」という言葉は、使えば使うだけ優しくなるものです。今、福岡っ子は、メッセージを書くことで、またひとつ優しくなっているのです。

善行の花


 朝、ゴミ袋を持って、ゴミステーションに向かう子どもをよく見かけます。当たり前のことかもしれませんが、家族の一員として、働いているなあと、ほっとする瞬間です。よいおこないです。

 よいおこないと言えば、昨年6月、本校は、地域貢献という項目で、日本善行会から表彰を受けました。このことは、以前の良友でお知らせさせていただきました。地域の人たちに支えられた栄えある賞でした。その賞をいただいたおかげと言いますか、その後地域の方からさまざまなお褒めの声が届いています。

 なまず池の掃除を手伝ってくれたという5年生、逃げ出した飼い犬を保護してくれた6年生と3年生、スポーツ広場を大切に使っている子どもたちと隣接する花壇の手入れを手伝ってくれた1年生、そして、下校途中けがをした子どもの世話をしてくれた高学年の子などです。

 地域からの声がなかったら、これらの善行は、埋もれていたかもしれません。地域の皆さんによって、子どものよいおこないが日の目を見たと思うと、その心遣いに感謝せずにはいられません。ありがとうございました。

 ただその一方で、子どもたちが、よいおこないばかりしているわけではありません。交通ルールを守らない、下校が危険、公共物を大切に扱わないとか、課題があることも事実です。 

 立春を迎え、花壇では、用務員さんが育てた菜の花がほころびはじめています。3月の声を聞く頃には、満開になっているでしょう。花一輪一輪が次々と開き、少しずつ地面を埋めていくように、善行の花を一つ一つ咲かせて、欠点や短所が見えなくなることを、菜の花を見ながら祈っています。