豊橋市立章南中学校ホームページ
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大雨が降り続くあいにくの天気の中、令和6年度「豊橋・学校いのちの日」をむかえ、2日間にわけて行事を行いました。
1日目
生徒たちは、いつもより1時間ほど遅く、安全に気をつけながら登校しました。昇降口では、各学年の先生に温かく迎えられました。
はじめに、放送集会を行いました。全校生徒、全職員で西野花菜さんの冥福を祈り、黙祷を捧げました。その後、学校長より「豊橋・学校いのちの日」についての話がありました。野外活動中のボート事故で亡くなった花菜さんへの哀悼の意を捧げるとともに、章武館西側に植えられているハナミズキや花菜花壇、花菜文庫を大切にしていくことでボート事故の風化を防ぎ、安心・安全な章南中学校を築いていこうという内容の話でした。生徒たちは、それぞれの教室で、落ち着いた表情で真剣に話を聞きました。
2・3限は、体育館へ移動し、全校集会といのちの講演を行いました。全校集会では、花菜さんが言葉とデザインを考えた「夢があるっていい」という黄色い旗について生徒会執行部から紹介がありました。続いて、群読づくり実行委員から全校みんなの言葉を集めてつくった日めくりの紹介があり、この日めくりの言葉から勇気をもらい、希望をもって生活していきたいという話がありました。
いのちの講演では、廣中郁子先生をお招きし、「深まる感受、心のつながり」という演題でお話をしていただきました。人は言葉がなくても心でつながり通じ合えること、また、「何もできない子は誰一人いない」一人一人みんな社会に必要とされている人間であり、たくさんの人と支え合いながら生活していることなど、いのちの大切さ、尊さについて深く考える機会となりました。
4限は、各学級へ戻り、担任の先生から、いのちや生き方についての話がありました。
5限は、体育館へ移動し、群読を行いました。友達や自分に生きる希望と生きる勇気をあたえられるように、全校生徒みんなで1つ1つ言葉を考え新しくつくった群読は、心から感情を込めて読むことができ、より心に響くものとなりました。生徒からは、「『希望と勇気の光を いつも心にいだき 生きていこう』のところがすごく迫力があり、全員のいのちを大切に生きようという思いが強まった気がしました。やってよかったなと思いました。」という感想を聞くことができました。
続いて、章南中学校で歌い継がれている追悼歌「未来(あした)へ」を全校生徒で合唱しました。三年生の生徒からは、「『君は教えてくれた 生きることの意味を』の歌詞から、今日は生きることの意味を教えてもらったと思います。」「私たち3年生は今日でこの歌を歌うことが最後になるのはさみしいです。次の一年生にも愛される曲であってほしいです。」など、学校いのちの日の行事に三年間参加しての感想を聞くことができました。
2日目
前日の雨も上がり、気持ちのよい天気となりました。午後から、今年で12回目となるバルーンリリースセレモニーを行いました。花菜さんが好きだった黄色のバルーンに全校生徒、全職員一人一人のメッセージをつけて飛ばしました。行事のふりかえりから、「今思うと、あの大雨も、悩んで(雨が降っていても)、必ず解決する(雨が上がる)ことを意味した神様からのプレゼントなのかなと思いました。」という感想を聞くことができました。
小雨の降り続くあいにくの天気の中,令和2年度「豊橋・学校いのちの日」が行われました。新型コロナウイルス感染防止対策のため,体育館で行う予定であった全校集会は各教室で放送にて行いました。まずはじめに,全校生徒・全職員とともに西野花菜さんの冥福を祈って黙祷を捧げました。
その後,学校長より「豊橋・学校いのちの日」について講話がありました。(講話の内容は別の記事に掲載)
2限は各学級で,学級担任による道徳の授業が行われました。「いのち」に関する題材を扱い,改めて「いのち」に対する考えを深めました。
4限は,今年で8回目を迎えるバルーンリリースセレモニー。直前より雨が強くなってきたため,校舎の窓から,メッセージカードをつけた黄色いバルーンを天高く放ちました。新型コロナウイルスの影響で,今年度は「未来(あした)へ」は,曲を流すのみとしました。天国の花菜先輩へ後輩たちからのメッセージを届けることができました。
午後は花菜さんの同級生で,現在は自らパン屋を経営している平松明華さんをお招きし,「パズルのピース」という演題でお話をしていただきました。最初に全校生徒が体育館へ入場し,学校いのちの日に掲揚塔に掲げる旗の紹介と講師の平松明華さんの紹介をしたのち,教室へ戻って放送にて講演を聞きました。
「笑顔はとても大切」「自分のためでなく,人に喜んでもらえることが自分の幸せ」など,自身の経験をもとに,生徒たちへたくさんのメッセージをいただきました。また,「花菜さんはとても笑顔が素敵な子でした」など花菜さんとの思い出も話していただき,後輩たちにとって花菜さんを身近な存在に感じたのではないかと思います。
生徒下校後には,職員研修として,花菜さんの父親である西野友章氏をお招きして,講話をいただきました。事故当時のことやなぜ事故が起こったのか,どう対応すべきだったかなど我々が教訓として忘れてはならない数々のお話を伺いました。また,教育現場で起こったいくつかの類似した事例をもとに,問題点や危機管理などをともに考える機会を与えていただきました。今回の講話で,改めて学校現場として,行事計画の段階から生徒の安全を最優先に考えることや危機管理の重要性を学ばせていただきました。教職員一同,決してこのような悲しい事故を二度と起こさないよう最大限の努力をしていきます。
今から10年前、6月18日は本校の野外活動の2日目でした。みなさんの先輩である「西野花菜さん」は、野外教育活動として行われた三ケ日青年の家でのカッターボート訓練中の事故で、尊い命を落としてしまいました。
今日は、何よりも、先生たちが、花菜さんのことやその事故のことを絶対に忘れない、安全については万全を期していくことを確認する日です。その一方で、みなさんも、自転車の乗り方や校内での安全について注意を受けることもありますね。つい最近も、安全委員の生徒から自転車での登下校について注意喚起がありました。また、昨年度中には、校内や登下校中で発生したけがで、念のためというのも含めて病院にかかってもらったものが50件近くありました。部活動中の事故で救急車を要請したこともありました。また、中には、長引いてしまったけがもあります。みなさんの身の安全を守るためには、先生達とともにみなさん自身の意識の高まりや協力も必要だということで、みなさんにもいのちの大切さを考えてもらう日となっています。この行事は、豊橋市内すべての小中学校で行っています。
さて、毎年、校庭に掲揚している旗を紹介します。これは、花菜さんの好きな色、菜の花の黄色の旗で、花菜さんが野外活動のしおりの表紙に描いた絵です。そこには、自然から学ぶ、協力の大切さを学ぶという意味で、生徒たちとカッターボートが描かれています。「夢があるっていい」。という言葉は、花菜さんが野外活動1日目の夜の研修会で、しおりに綴ったものです。この言葉には「私はこの同級生の活躍をみたい。」という続きがあります。花菜さんは、仲間の活躍を期待する学年のリーダーでありました。さらにときどきご病気をされたお母さんを思ってか、「自分の夢は医者だ。」と記していました。志の高い花菜さんなら、きっと、立派な医者になったことでしょう。この事故は、そんな花菜さんの夢を一瞬で奪い去ってしまいました。
この、黄色い旗は、三つあり、三ケ日青年の家と運営会社であった小学館集英社にもあります。今日は、それぞれの場所でも追悼の行事が行われ、この旗が掲げられます。三ケ日青年の家では、今でも行事のたびにこの旗が掲げられています。また、今年は曲を流すだけになってしまいますが、毎年みなさんが歌っている「未来(あした)へ」は、当時の家庭科の先生が花菜さんを忘れないための何かを残したいという思いで作られたものです。この歌は、三ケ日青年の家での追悼行事の中で三ケ日中学の生徒も毎年歌っています。
このほかにも、「忘れない」ために目に触れることができるものが用意されています。一つは章武館の西側にあるハナミズキの木です。もう一つは図書室にある花菜文庫です。花菜文庫の本は西野さんのご両親から寄付していただいており、現在541冊目になります。お母さんが設計してくださった書棚も三つになりました。パネルも掲示してあります。このほかに、吹奏楽部が演奏する曲の楽譜を14曲分いただいています。
今日は、いのちを考える道徳の授業、そして、西野花菜先輩を追悼するバルーンリリースを実施します。午後からは、花菜さんが「活躍を見たかった」同級生であり親友の平松明華さんから「パズルのピース」として講演をしていただきます。みなさんが下校した後は、何がなんでも先生がみなさんの命を守り抜くという研修として「自然体験活動の取り組みについて」という題で花菜さんのお父さんである友章さんからお話をうかがいます。
今日は、花菜さんのことを静かに思い、かけがえのない命の大切さ、また、家族や友達、周りの人の命を大切にするためになすべきことを考える一日となることを期待して、わたしからの話とします。今日は、よろしくお願いします。
10年前の今日、6月18日は、本校行事として三ケ日青年の家で実施していた野外教育活動の2日目でした。当時、1年生でありました、西野花菜さんを乗せたボートが転覆し、花菜さんは帰らぬ人となりました。わたしたちの章南中は、ご両親からお預かりした大切な命を守ることができず、元気な姿でご両親にお返しすることができませんでした。
花菜さんの、将来は医者になりたいと夢見る、希望に満ちた将来を奪ってしまいました。花菜さんは、もし、事故がなければ、今年、23歳になっていたはずです。医者を目指すのであれば大学5年生、実践的な勉強に励んでいたことでしょう。かわいく、眼の中に入れても痛くない一人娘である花菜さんの成長を楽しみにしていたご両親の深い悲しみと絶望を思うと、言葉もありません。
ここで、西野花菜さんに、黙祷を捧げたいと思います。みなさん、ご起立ください。
~黙祷~ やめ、 ご着席ください。
花菜さんのご両親の時間は、今も止まったままです。どんなに時間が経過しても、そのつらさは、癒えることはありません。むしろ、10年という長い時間、ご両親は苦しみ続けてきているとも言えます。この事故は、解決するということはないのです。10年という数字は節目でもなんでもなく、この日の意味は、9年目であった昨年も、11年目である来年も、何も変わることはありません。
この豊橋・学校いのちの日は、第一義的に、わたしたち教員が、決してこの事故のことを忘れないためのものです。もし、わたしたちがこの事故のことを忘れるということがあるのならば、それは、花菜さんの存在がなかったことになってしまいます。10年間受け継いできた私たちの安全に対する意識をいかにつないでいくかを、先生方も考えてほしいと思います。
ここに浜名湖のボート転覆事故を教訓とするための、事故を決して風化させないためのパネルがあります。日頃は校長室に掲示してあります。その中央の黄色の部分に、「職員誓いのことば」があります。その下には、「章南中の教職員はこうありたい」と私たちのもつべき覚悟を記した文書があります。
皆さんは、日頃から生徒の安全管理については、必要十分な意識をもち活動をしていただいているとは思いますが、本日、その思いを一層強固なものにするために、そのまま全文を読み上げます。
職員誓いのことば
平成22年6月18日、静岡県浜名湖において、西野花菜さんの尊いいのちを事故によって奪ってしまいました。私たちは、そのときの花菜さんの恐怖・苦しみ・辛さ・無念さを思うにつけ、その悲しみの大きさに胸が張り裂ける思いです。
花菜さんは、いつも笑顔を絶やさず、常に周りの様子を気にかけて誰にでもやさしく声をかけることができる子でした。しかし、今はもう花菜さんの姿はありません。あの日、笑顔で花菜さんを送り出したご両親には、ただただお詫び申し上げるばかりです。
また、この事故によって、子どもたちや保護者、地域の方々等多くの人々の心に傷を負わせてしまい、誠に申し訳なく思います。
この事故で、私たち職員は、改めて子ども一人一人のいのちの尊さが心に刻み込まれ、教育活動において、いのちを守ることの使命感や責任感の大きさを新たにしております。私たちは、この事故をけっして風化させることなく、あらゆる教育活動において、いのちを第一に考え、安全を常に確保し、安心して教育活動が展開されるよう努めてまいります。そして、無念な思いで天国にいった花菜さんの夢や願いの灯を子どもたちとともにいつまでも灯しつづけ、彼らの成長の礎になっていくよう、取り組んでまいりたいと思います。
「章南中の教職員はこうありたい」
〇野外活動中の事故で、保護者からお預かりした大切な生徒の命を救うことができなかったという反省をもとにして。→〇すべての教育活動において、生徒の命を最優先に考え、安全の確保を全職員が心を一つにして努めていく。
〇不幸な事故を二度と起こさない。安全・安心な学校づくりをするためのリーダー校となるために。→〇校外学習における安全マニュアルを作成し、順守するだけでなく、もしもの場合、自ら判断・行動する力を身に付ける。
〇悲しい事故のことを決して忘れず、これから先も風化させることがないようにするために。→事故を通して得た教訓を、安全な学校づくりのために生かし、豊橋のみならず近隣の市町、ひいては全国に向けて発信する。 以上です。
これまで本校では「安全、安心のできる学校づくり」を第1の目標として取り組んでまいりました。子供たちにも、常に「命の大切さ」を話してまいりました。事故を風化させず、章南中が学校安全のリーダー校となるように努力していきたいと思っています。そして、いつかみなさんが異動をして他の学校でリーダーとなることで、豊橋市全体に高い意識と万全の体制が広がっていくことを願っています。
この後、放送になってしまいますが、生徒たちにも同様にお話をさせていただきます。そして、いのちを考える道徳の授業、バルーンリリース、午後からは、花菜さんの同級生による生徒向けの講演と、花菜さんのお父さんによる教職員向けの研修を実施します。子どもの命を守る私たち教職員の覚悟と、学校安全体制を築くために行います。
今回、同級生の方の話をうかがうということを、ご両親は喜んでくださいました。しかし、大人になっていく同級生を目にすることには、複雑な思いもおもちのはずです。しかし、今回そうしようと私が思ったのは、先生方には、本来は同じように成長しているはずの花菜さんの命が奪われてしまったのだということを強く認識してほしかったこともあります。また、ご両親は事故の再発防止を願い、お父さんは教員研修の講師を務められたり、新たなしくみをつくる活動をされたりしています。しかし、本当は、花菜さんを元気な姿で返してほしいに決まっています。それはかなわないので、せめて事故の教訓を無駄にしないでほしいとおっしゃって活動されるその心情は察するにあまりあることと思います。
今日は、1日、あらためて命の大切さを、生徒と共に考えて行く日にしたいと思います。先生方、どうぞよろしくお願いいたします。
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