日誌

2020年1月の記事一覧

ながなわの詩


 
いきたいけど こわくて いけない

タイミングは わかっているけど

こわくていけない

まわる なわは、へびのよう

ゆうきを 出して 目を あけて

走ってみたら とべていた

 

 これは3年生の子が書いた詩です。

 今来週に迫った長縄大会に向けて、わんぱくタイムや昼放課において、練習が佳境を迎えています。音楽に合わせて、その跳ぶ姿は、以前に比べずいぶんスムーズになりました。3年生の子どもたちは、学年全体でうまく跳びたいと願い、その秘訣を「走りぬける」「なわの真ん中を通る」「リズムよくなわに入る」と掲げました。

 しかし、そうはいうものの、苦手な子にとっては、やはり至難の業です。「いきたいけど、こわくていけない」「まわるなわは へびのよう」というように、子どもの行く手には、津波のような縄が立ちはだかります。そして、子どもはというと、ヘビににらまれたカエルのように固まってしまっています。

 そんなとき、きまって現れるのが救世主です。子どもたちの姿を見ていると、あるクラスは、友達が跳ぶタイミングを教えようと声をかけ、またあるクラスでは、跳ぶ瞬間に背中をポンとたたいて送り出しています。カエルになってしまった当事者も、どうしよう、どうしようと迷っているうちに、友達や先生の後押しで「走ってみたら とべていた」と、あっ気ない幕切れを迎えています。

 過ぎ去ってしまえば、案外簡単。しかし、大人たちは、そのあっ気ない記憶に、跳ぶまでの緊張や恐怖を忘れ「あんなの簡単だよ」「すぐできる」と言いがちです。試練の近くには、いつだって神様がいる。私たちが忘れてはいけない教訓です。

大きくなったなあ


 令和2年がスタートしました。2棟の前に植えられた菜の花も、ところどころ花が開き始め、寒々とした空気が緩んできています。春は近づいてきているようです。

 さて、1月7日、冬休み明け集会が開かれました。

私は全校児童に話をした後、フロアの後ろに座っている高学年のところに行ってみました。さすが5,6年生、係の先生の話に真剣に耳を傾けています。そして最後に校歌を歌う場面になりました。号令のもと、立ち上がった彼らの後姿を見て、驚きました。12月末からまだ半月ほどしか経っていないのに、子どもたちがずいぶん大きく見えたのです。成長期は、子どもによっては、半年に5、6㎝も伸び、急激に成長する子もいます。しかし、新しい年を迎え、やがて中学生として、あるいは最高学年として歩まなければならない自覚が、彼らを大きく見せたのかもしれません。

 人の成長には、大きく飛躍する時ときっかけというものがあるものです。それは、準備されて訪れるものとは限りません。ある時偶然であったり突然であったりするものです。

卒業や新学年まであと3か月を切りました。さっそく体育館では、PR委員会のPR大会が開かれていました。自分の趣味や特技を披露するものですが、大衆の面前でそれを行うとなると、なかなか勇気がいるものです。何かを挑戦したり、継続したりする中で、この子の伸びるときを待ちたいと思っています。

 また校長室では、2年生九九検定が続いています。家庭や教室ではできるのに、ここに来ると緊張して覚えたものが飛んでしまう子もいます。できる、できないではなく、緊張感を乗り越えた向こう側に成長があると信じ、子どもたちと日々向き合っているところです。