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対岸の声

 5年3組のおたより「コスモス」に「珠美の人生日記」のコーナーがあります。岩瀬先生が、日々子どもたちとのかかわりの中で、さまざまな思いが綴られています。私もひとりの読者として、毎週楽しみにしています。

 その中に、A子さんのことが書かれていました。彼女は、泳ぎが得意ではないらしく「水泳特訓をしています。」とありました。そして、人生日記は続きます。「人に頼らずひたすら頑張って泳ぐ彼女を見ていたら、先生も何か挑戦できるものを見つけたいと思いました。」と…。岩瀬先生は、A子さんの泳ぐ姿に、勇気や元気をもらったようでした。

 岩瀬先生のこの気持ちは、私にもわかります。それは、朝の登校風景でした。私が本校に赴任したころは、子どもたちと出会っても、恥ずかしさが先だって、下を向いて歩いていってしまう子が多くいました。しかし、先日のことです。国道259号線の歩道に立っていると、「おはようございます」という元気な声が聞こえてくるではありませんか。声の方に目を向けてみますと、行き交うたくさんの車の間から、子どもたちのたくさんの笑顔がのぞいていました。この通学班の子たちは、反対側の歩道にいる私を見つけて、声をかけてくれたのでした。車の騒音を越えて届けてくれた元気いっぱいの贈り物に、私も岩瀬先生と同じように、今日頑張ろうという元気や勇気をいただいたのでした。

 いよいよ夏休みを迎えます。全校朝会でも話したように、子どもたちは、本当によく頑張ったと思います。が、忘れてはならないのは、頑張った自分のすぐ近くには、A子さんやあの通学班の子たちのような勇気や元気を与えてくれる存在がいたのではないでしょうか。

 交通事故、不審者、熱中症、異常気象と、子どもの取り巻く環境は必ずしも万全とは言えません。友達や先生とのつながりを忘れず、安全に元気いっぱいの夏休みを過ごしてほしいと願っています。