日誌

初陣

 テレビをつけると、高校野球の開会式をやっていました。今年は、100回目の記念大会だそうです。「野球ができることの幸せ」ということばが印象的でした。遠く昔は、戦争により大会そのものが開催できず、野球をすることすら叶わず戦禍に散っていった球児たちもいました。最近においては、西日本豪雨により甚大な被害をうけた被災地では、野球どころではなかったでしょう。歴史や現実をふまえたとき「野球ができる」幸せがより重く受け止めることができました。甲子園では、「野球ができる幸せ」を球児たちはプレーで体現し、私たちに多くの感動を与えてくれました。

 しかし、子どもたちにとって本物の感動は、本人の体験の中にあります。小学生のコンサートでは、市内の仲間たちと心ひとつに歌声で共鳴し合い、水泳大会では、自己ベストをめざした個人の泳ぎとともに、リレーで「チーム福岡」を感じるなど、会場には、甲子園に負けないドラマがありました。

 夏休みも後半に入り、バレー、バスケットボール、サッカー部と、10月の球技大会に向けて、練習試合が始まりました。猛暑が続いた今年は、練習時間も十分でなく、初陣の子どもたちの表情も、今ひとつ自信がなさそうです。そして、いざ試合が始まっても、動きがわからない、ミスを繰り返してしまうなど、ぎこちなさばかりが目立っています。その姿に、下を向くな、声を出せ、傍から見ていて声をかけずにはいられませんでした。まだ始まったばかり、失敗は成功への布石です、あなたの心がけ次第で、今日の失敗がいつしか感動という輝きを引き出してくれるのです。「プレーができる楽しさ」を感じながら頑張ってほしいと願うこの頃です。