日誌

眼鏡 校長だより


 とびっきりの笑顔

 

夏休み第一日目泳力補充が行われた。泳力1mからの、いわゆる泳ぎが苦手な子22名が集まった。表情の硬い子と笑顔の先生の組み合わせはやや違和感があるが、これからはじまる物語に期待が高まるばかりだ。

 プールに広がるさまざまな練習の風景、ここまでここまでと自らが道標になり呼び込む先生、手本を示し、いっしょに泳ごうと意志表示をする先生、道具を使って子どもを引っ張り、泳ぐ感覚を養おうとする先生、さまざまな手法でこの子に泳力をつけようとする先生の姿がある。子どもたちは、その熱をしっかりくみ取って、必死に水面を滑り、知らぬ間にその距離は伸びていく。そして、先生の激励の声が最高潮に達したそのとき、水中から飛び出したその顔はとびっきりの笑顔であった。「泳げた!」周りからも拍手。教師の仕事の醍醐味は、この瞬間にある。15人を超える子たちが、25mを泳ぎ切ったと聞いた。25mは届かなかったが、格段の進歩の子もいる。ドラマも子どもの数だけある。

 プール横では、明日に迫ったフェスティバルの準備がPTAの人によって始まった。掃除をしたり、テーブルを運んだりと、猛暑の中汗びっしょりである。子どもたちの笑顔と大人たちの汗の美しさがまぶしい夏休みのはじまりであった。