日誌

メタセコイヤの思い出


 小学校時代の部活動の思い出と言えば、サッカーの中央大会に出場したことです。昔々48年前、思えばもう半世紀近く前の出来事。田舎の小さな学校だったので、当時としては快挙でした。

 忘れられない理由は、私のミスで負けたからです。

 当時、私はキーパーをやっていて、チームは結果的に市内優勝したチームと初戦で対戦、接戦だったのです。しかし、今思えば、私のポジションが悪く、前に出過ぎていたのでしょう。相手のヘディングしたボールは、私の頭上を越え、ゴールの中に落ちていきました。そして、これが決勝点となって、あえなく1回戦敗退となりました。ここで、私とサッカーのつきあいは終わりました。ただ当時は忘れてしまいたかったこの敗北も、ずいぶん時が経ち「がんばったんだよ」と思い出が慰めてくれ、懐かしいものになっています。

 このときの他の思い出といえば、実に断片的です。近くに電車が走っていたこと、グランドがやたらと広かったこと、そして大きな樹が見えたこと。そう、会場は、福岡小学校だったようです。私が、本校に赴任したとき、その風景を見て、ああ、あの樹はメタセコイヤだったんだと、思い出の中の樹にたどり着くことができました。

 今も部活動を見るのが好きで、授業後、グランドにサッカー部の練習を見に行くことがあります。声を出し、元気に走り回る選手たちがまぶしく見えます。遠い昔の自分を重ねながら、今の選手は、本当に上手だなと感心しきりです。

 令和の時代になり、長い部活動の歴史も閉じようとしています。しかし、懸命にがんばった思いや思い出は閉じることなく、永遠に続いていきます。球技部のみなさん、頑張ってください。