日誌

朝の優しい時間

 毎週火曜日の朝は、読み聞かせの時間です。教室では、子どもたちが車座になって、図書ボランティアの方を待っています。図書ボラのお母さんたちは、毎週家庭や市の図書館、本屋さんで選んだ、とっておきの話を持参してくださいます。

 お話が始まりますと、ざわついていた空気も、魔法をかけたようにしいんと静まります。先生たちも、子どもの輪に中に座り込んで、子どもの目線で子どもといっしょに、お話の世界に入っていきます。低学年の子の中には、先生の膝の中に入って、親子のように聴き入っている姿もあります。一日の中で、教室の空気が、学級から家族に変わるのはこのときです。

 読み聞かせをしてくださる方もさまざまです。登場人物と地の文で声色を変え、臨場感豊かに読むお母さん、あえてたんたんと朗読し、子どもの想像力をかきたてるお母さん、クイズや子どもへの語りかけをして、子どもの反応を楽しみながら、話をすすめるお母さん。先日は、男性の方もサポートに来ていただきました。さすがお父さん、抑揚と迫力のある語り口に、すっかり子どもたちはとりこになっていました。

なかには、入学前のお子さんを連れて、お話を聞かせてくれる方もいます。お話が始まると、そのちびっこもお母さんの方に向きを変えていっしょにお話を聞いています。はじめはこの子に「かわいい」とつぶやいた女の子たちも、その様子にあわてて、お母さんに視線を向けます。

 子どもたちが、落ち着いて安全に、一日のスタートを切れるのも、こうした優しい時間をくぐっているからだと思います。図書ボラだけではありません。さまざまな校区の方たちが、授業や行事や環境整備に関わってくださり、目に見えない心の栄養をいただいて、子どもは成長していくのでしょう。いつもありがとうございます。

 ところで、先日行った学校評価アンケートでは、図書館の利用の少ない傾向が表れていました。今、図書館では、節分、バレンタインと、春に向かって飾りつけがされています。本市でも有数の本校図書館の利用を、全職員で充実させたいと取り組んでいるさなかです。