日誌

特別な思いをもって


 年明け早々、和太鼓部の子どもたちは、成人式に向けて、練習をスタートさせています。新成人を迎えた先輩たちへのはなむけとして、和太鼓演奏は、本校では、恒例のイベントになっています。

真冬の冷たい空気の中、儀式の前座という緊張感あふれる場で、しかも冬休みがあり練習不足を否めない状況での演奏は、さぞ大変なことでしょう。子どもたちは、そうしたリスクをバチでふるい落とすかのように、テンポや間合いを確かめながら、熱の入った練習に励んでいました。

 新成人の皆さんは、今から8年前、平成23年に本校を卒業した子どもたちです。この年は、3月11日、東日本大震災が東北地方を襲い、多くの人々が尊い命を失いました。その中には、卒業式を前に津波にのみこまれ、今年成人式を迎えられない同学年の人たちもいたはずです。そう考えると、大人になるという、いかにも当たり前のことが、特別なことに思えてなりません。

 和太鼓部の6年生も、これまで当たり前に練習してきた毎日が、卒業と同時になくなるわけです。彼ら自身、最後の発表の場として、特別な思いをもって演奏に臨んでくれるに違いありません。また、和太鼓部でなくても、6年生の皆さんも同様です。小学校生活という当たり前だった毎日が、卒業というゴールが見えてきたとき、急にかけがえのない時間に思えてくるものです。ぜひ、1日1日大切に過ごしてほしいと思います。

 みなさんが成人式を迎えるころは、どんな時代が、どんな世の中が訪れているでしょうか。平成の最後の今、あなたの夢を新たな時代に向かって掲げてみてください。