日誌

走るということ

 12月になりました。先生方が忙しそうに走っている姿を見ると、まさに師走だなあと感じます。

 しかし、子どもたちも今、教員に負けないくらい走っています。校内持久走大会や駅伝大会を間近に控え、一日中、校庭は、白熱した走りに包まれます。

まず、午前のかけあしタイムでは、運動場を全校児童が走ります。先生たちが逆走してすれ違う子に声をかけ続けたり、ペースメーカーとなって子どもたちを先導したりと、走りに手抜きがないように、厳しくも温かいまなざしや励ましが子どもたちの心をとらえます。

次に、昼放課は自主練習です。ドッチビーや鬼ごっこなどで遊んでいる子のまわりを走っています。高学年と低学年が仲良く走る姿は、なんと微笑ましいことでしょう。お兄さん、お姉さんと走る低学年も、かわいい弟、妹たちと走る高学年の表情も、笑顔があふれ、とても幸せそうです。

最後に、夕方の部活動。ただ黙々と走り込んでいる姿は、厳しい自分との闘いです。何周もグランドを回ります。周回ごとに、顧問の先生からの「あと20秒」「ペースを上げろ」の大声に、心のアクセルを踏んで、ペースを上げていく子どもたちがいます。時間との闘いです。そして、ついにラスト一周、走り終えた仲間たちから「がんばれ」「ファイト」という声がとどろきます。その声に、歯を食いしばって再び手をふり、足をあげます。仲間が待ち受けるゴールに、駆けこんでいく風景は、西日に照らされてとても美しく感じます。

 走ることは人生とよく似ています。毎日同じようでも決して同じでない一周一周を、いろいろな人やことばと出会いながら、心や力を磨いていくのです。